アメリカの女子プロバスケリーグ「WNBA」で、いまちょっとした”モメごと”が起きています。
選手たちが「リーグから出された新しい契約案を、到底受け入れられない」と怒りの声を上げているんです。
いったい何があったのか? わかりやすくまとめてみました。
「CBA」って?
まず、今回の話のカギになってるのが「CBA」。
これは「Collective Bargaining Agreement」の略で、かんたんに言うと「選手とリーグが結ぶ、働くための契約」のことです。
たとえば、
- 給料はどのくらい?
- お休みはいつ?
- チームに何人選手が入れるの?
- 妊娠したときはどうサポートしてもらえるの?
みたいな、大事なことをちゃんと取り決めるためのルールです。
いまこの契約が更新時期を迎えていて、リーグ側が「こんな感じでどう?」って新しい提案をしたんですが…
選手たちは、内容に納得がいかず、はっきりと反対の意思を示しました。
「侮辱された気分」って、どれだけヒドかったの?
選手の代表のひとり、サトゥ・サバリー選手(フェニックス・マーキュリー所属)はこう言っています。
「侮辱された気分だった」
それくらい、ショックで、腹が立ったということですね。
WNBAってそんなに儲かってるの?
実は今、WNBAってすごく”アツい”んです。
- 2024年には、テレビ放映の契約で11年間・22億ドル(日本円でざっくり3500億円)っていう巨大な契約を結んだり
- チームを増やす(拡張)ことで、合計2億5000万ドル以上(約400億円)も収益を得たり
とにかく、ビジネスとしてはどんどん大きくなっています。
でも、そんな中で「じゃあその分、選手にもちゃんと還元されてるの?」っていうと…ちょっと微妙。
報道によると、選手がもらってる割合は9%程度とも言われていて、男子のNBAでは約50%が選手にいってるらしいので、かなり差があることがわかります。
選手たちは、どんなことを求めてるの?
選手たちが「これは改善してほしい!」と声を上げているのは、主にこんな点です。
選手たちが求めていることは、大きく4つあります。
- 給料アップ:いまの給料では生活が安定せず、多くの選手は海外リーグでも働いて収入を増やしています
- 移動環境の改善:遠征が多いのに、みんなエコノミークラスで移動。これは選手の体に負担がかかります
- チームの人数枠を増やす:リーグは大きくなっているのに、1チームの選手枠が増えないため競争が激しすぎます
- 賞金バランスの見直し:なぜか、シーズン優勝よりもトーナメント優勝の方が賞金が多いという矛盾があります
つまり、プレーだけでなく「生活」や「働く環境」としてもっと整えてほしいという願いが込められているんですね。
このままいくとストライキもあり得る?
実は、今の契約(CBA)は2025年10月に切れる予定です。
もしそれまでに新しい取り決めがまとまらなかったら、選手たちがストライキ(試合ボイコット)に突入する可能性もあるんです。
SNSではエンジェル・リース選手をはじめ、影響力のある選手たちも「このままじゃダメ」と意思表示していて、交渉はかなり緊迫しています。
WNBAは、いま本当に”変わり目”にいる
リーグはこれからどんどん大きくなる予定で、2030年までには18チーム体制に増える見込み。
すでにサンフランシスコに新チーム(Valkyries)が加わったり、デトロイトやフィラデルフィアなども候補に挙がっています。
そんななかで、選手たちは「私たちの働き方もちゃんとアップデートしてほしい」と訴えているわけです。
📝 まとめると…
- WNBAが新しく出した契約案に対し、選手たちが反発
- リーグはお金をどんどん稼いでいるけど、選手への分配が少ないのが問題に
- 給料や移動環境、チーム構成など、リアルな”働き方”の改善が求められている
- このまま話が進まなければ、2025年にはストライキの可能性も…
最後にひとこと
スポーツって、観てるときは華やかだけど、その裏側ではこんなふうに「働く人としての課題」が山ほどあるんですね。
この話、スポーツ選手として「働くってなんだろう?」とか、「価値をどう認めてもらうか?」という問いとして読めると思います。
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(参考:Front Office Sports、Outkick、取得日:2025年7月5日)