【28億ドル】学生アスリートが正当に報酬を得る時代に―NCAAの和解金が示すもの

スポーツビジネス

2025年4月に報じられたニュースで、NCAA(全米大学体育協会)が元学生アスリートに対して総額28億ドル(約4,200億円)もの和解金を支払うと発表しました。これには、現在NBAで活躍する選手たちも含まれており、大学スポーツの世界で大きな注目を集めています。


なぜ和解金が支払われるの?背景を知ろう

かつてNCAAは「学生アスリートはアマチュアであり、報酬を受けてはいけない」というルールを長年守ってきました。つまり、どれだけ人気や実力があっても、選手本人が自分の名前・写真・人気を使ってお金を稼ぐことは禁止されていたのです。

しかし、大学やNCAA自体は、放送権やグッズ販売などで選手を使って巨額の利益を得ていました。この不公平な仕組みに対して、学生アスリートたちが「自分たちも正当な報酬を受けるべきだ」として訴訟を起こします。

その中でも特に注目されたのが「ハウス対NCAA訴訟」。この裁判でNCAAの報酬制限がアメリカの反トラスト法(公正な競争を守る法律)に違反していたと認定されたことで、今回の和解に至ったのです。


誰が対象?どれくらいもらえるの?

この和解の対象となるのは、2016年から2024年の間にNCAAのDivision I(最上位カテゴリー)でスポーツに参加していた学生アスリート全員です。

特に、大学時代にNIL(名前・画像・肖像)で収入を得る機会がなかった人たちは、より多くの和解金を受け取れる可能性があります。NBA選手たちの中にも、10万ドル(約1,500万円)以上を受け取る見込みの人もいます。


現役NBA選手も申請中!

ニュースによると、ロサンゼルス・レイカーズのジャレッド・ヴァンダービルト選手や、ブルックリン・ネッツのジェイレン・ウィルソン選手などが、和解金の申請を行っています。

また、元ノースカロライナ大学のキャム・ジョンソン選手(現ネッツ所属)も10万ドルから12万ドルの支払いを受け取る予定です。彼は「これは無料のお金じゃない。我々が働いて得た当然の報酬だ」と語っています。


これは“無料のお金”じゃない。学生アスリートの正当な権利

この和解金は、過去に制限されていた選手たちの収入機会を補うものであり、単なるプレゼントではありません。むしろ、これは大学スポーツ界が「アスリートの権利を認める方向に進んでいる」という象徴的な出来事です。

これをきっかけに、今後はより多くの学生アスリートが自分の価値を活かして報酬を得られる時代が来ると期待されています。


まとめ:大学スポーツの“常識”が変わる

今回の和解は、大学スポーツにおける「アマチュア=無償」というこれまでの常識を大きく覆す歴史的な出来事です。NCAAの方針は見直され、選手たちの正当な報酬と権利が少しずつ認められつつあります。

今後、大学スポーツがどう変わっていくのか。その動きに注目していきましょう!

▼参考
NCAA Payday for NBA Players Hundreds of NBA players are eligible for the $2.8 billion set frontofficesports.com

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